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<団塊の世代を考える> [景気、経済]

先月発表された3月の日銀短観DI(良い―悪い)では、中小非製造業は12月の△14→△11と改善されたが、中小製造業のそれは△8→△10と2ポイント悪化した。さらに6月の予測では共に5ポイントの悪化を想定している。一部改善されたとはいえ、依然として水面下にいることに変わりがない。さかのぼって調べてみると、中小製造業では2007年12月の+2以来、足掛け5年に渡るマイナスである。中小非製造業に至っては、その時でさえ△12であり、相当長い期間マイナスである。

今年は、団塊の世代の第1陣が65歳を迎えてくる年であり、この3年間にこの世代が一気に65歳以上に突入する。上記のような景気低迷期において、全社一丸となって今の売上、利益確保に奔走しなければならないのは勿論だが、今後の自社の向かうべき道の方向へも種まきをしなければならないそのひとつの判断材料として、このことは見逃せないのではないだろうか。

その参考資料として、昨年総務省から発表された「家計調査年報」の中の全世帯の平均消費支出と、65歳以上の平均消費支出の比較を考察して見ると、保健医療費は当然65歳以上世帯が上回っているが、食料費では外食費は大幅に減り、魚介類、特に果物類の支出が伸びている。又住居費では、地代家賃は半分近くに減っているのに対して、修繕・維持費が大きく上回っているのを見ると、やはりリフォーム、修繕の需要が伸びるのがわかる。交通・通信費では、自動車関連費、通信費は共に約40%減じている。ということは今最も伸びているスマートフォン需要も、新しい高齢者向けコンテンツを創造しなければ急速に落ちてくる可能性がある。全世帯平均消費支出より、65歳以上のそれは、1か月約4万円弱少ない21万3217円だが、高齢化社会に突入して、単に消費の総需要は縮小するが、その細かい部門によっては、大いに伸びる消費動向があるという変化をとらえておかなければならない。

この団塊の世代が社会の中心的労働力となっていた時代は、家電メーカーが世界に向けて飛躍していた時代であった。今、その大手メーカーは価格競争の荒波の翻弄され、軒並み赤字に転落し、合併・リストラの大合唱の中にいる。大量生産・大量消費は、他のアジア諸国にシフトし、国内はますます多種多様化に拍車がかかってきている。いま65歳以上の高齢者と、これから65歳以上になって行く団塊の世代の高齢者も又、違う側面を持っているはずである。そのことも考慮して、多様化対応のシーズを探し続けなければならない。

平成維新か? [景気、経済]

 歴史的な大きな転換点である明治維新は、明治元年だけをいうのではない。狭義では1867年大政奉還からを始まりとするが、広義では1853年(嘉永6年)黒船来航からとする説が有力で,終了は一般的には1889年(明治22年)大日本帝国憲法制定の年までとされる。このように、明治維新といっても大変化するためには20年以上の年月をかけて、後世の歴史観からしてあの期間の以前と以降では大きく変わったと気づくのである。それまで、国内に矛盾が鬱積し、黒船来航という外圧によって開国、近代化へと大きく舵を切っていった。

今、我々は戦後は終わったと早くから言われ、高度成長期が終焉し、失われた20年といわれる低成長期の真っただ中にいる。自民党一党政治体制から、二大政党時代の幕開けが垣間見える昨今、2008年のリーマンショック、今年3月11日の東日本大震災と大きな外圧にさらされ、今まさに歴史的大転換期にいるのかもしれません。それまで右肩上がりだった人口も2005年をピークにして減少が始まり、高齢者比率が上昇する一方という今まで経験したことのない環境に突入している。数十年後に振り返れば、日本にとって平成初期の20数年間は大きな歴史の転換期であったと言われるかもしれない。私達は今まさにその渦中にあるから、ゆでガエル的に気づかないのかもしれません。IT化の波が世界を呑み込み、モバイル化がさらにその変化の先をゆき、そんな時にTPP批准の波に乗り遅れて鎖国を繰り返していてはいられないでしょう。

明治維新の前夜には禁を破って藩を超え、理想を掲げ、人は情熱を持って活動した。各自が正しいと思う道を進み、その結果、歴史に流された人物もいれば、名を残した人物もいる。どちらにしても信念と情熱を持って行動しなければどちらにもならなかったことだけは事実である。

歴史に名を残すという大それた考えは持てないにしろ、企業を残すという信念だけは持ち続けたいものです。そのためには理想を掲げ、情熱を持って行動するのみです。残すのは社名ではありません、働く場を残し、発展させることです。
 自分の力ではどうすることも出来ない時代の流れ、外圧、自然災害。そんな厳しい状況に直面すれば人間の本能として避けたいものである。それが避けられない時、それと向かい合わなければならなくなった時、人はどうすればよいか今まで以上に深く考える。深く考えれば考えるほど、人は強くなり、人と人との絆の大切さを知るのだと思います。

GDP(Gross Domestic Product)とGNH(Gross National Happiness) [景気、経済]

 戦後、アメリカに追いつけ追い越せといばかりに頑張り、長らく保っていたGDP(国内総生産)第2位の地位が、とうとう中国に抜かれ世界第3位になりました。1位はアメリカでGDP14兆5千万ドル(人口3億2千万人)、2位の中国は5兆9千万ドル(人口13億5千万人)、3位日本で5兆5千万ドル(人口1億2700万人)となりました。
しかし、一人当たりの生産高に直すと、アメリカは世界第8位、日本は17位、中国に至っては日本の10分の1ほどで、世界第99位まで後退します。1位はルクセンブルクで、2位ノルウェー、3位スイスの順であり、上位10位までに北欧の国が5カ国も入っています。「1位でなければだめですか?」とは、政府の誰かが言っていましたね。先進国の国民に「あなたは幸せですか?」とアンケートを取ると、少し前までスウェーデンが1位でしたが、最近はデンマークが1位になったそうです。日本は毎年その%が下がっていっています。外人からみると充分満ち足りているように見えるのに、国民の幸福感は低下し続けています。物の豊かさを追求し続けてきた戦後60年。物質的には満たされてきたのに、一方で目標を失い、人の幸福度が下がっていっています。今、世界の経済学者がGDP以外に、国民の幸福感を客観的数値化できないかと模索しています。その先進国であるチベットの小国、ブータンは早くからGDPではなくGNH(国民総幸福量)を目指しています。小さいところに学ぶべきものが沢山あります。

人が育つ [景気、経済]

昨年から、友人が組織しているひきこもりやニートの若者の、新しい職域を創造していくという取り組み(ネクストステージ大阪LLP)に参加している。
その中には、発達障害の人達も多数いる。
顕著な例が、人とのコミニュケーションが困難な人達である。
そういった人達の訓練の場として、「八百屋マン・マーケット」と称して、自社の会社の前を含む中小企業の店先や、福祉作業所の前等で,農家さんから直接仕入れた野菜や、塩干物を販売している。

来られた地域の方々と会話しながら売るという作業が、訓練になると考えている。
極端な子は、最初の日には「ありがとうございました」も「いらっしゃい」も言えず、ただうつむいて立っているだけ。
しかし、そんな子も、回を重ねるたびに、少しずつ声が出るようになり、今では「野菜辞典」を自分で買って勉強してくる。
そして「この野菜、辞典に載っていないのですが、なんという野菜ですか?」と質問するまでになった。
だからと言って、その状態で今の激動の社会で就職先があるかと言えばやはり厳しいものがあるだろう。

早急に成果を求め、特に大企業は、新卒より即戦力になる中途採用を増やす傾向にある。
一昔前、人が来ないと嘆いていた中小企業は、仕方なくそんな子も人手として採用して、仕方なくじっくりと育てていた。
仕方なくということは、できればそのような採用を避けたかったのかもしれないが、それでも一緒に働いて、怒ったり、ほめたりして一人前になって行く姿を、我がことのように喜びとする経験があった。
しかし、今はそれすら許されない社会になってきたのか。

人が育つ社風を作ることが、経営者の最大の使命であるはずなのに。

社会的企業(ソーシャル・ビジネス)の台頭 [景気、経済]

 財政難の政府が、歳出削減や、行政改革に動く中、新たな公共社会の担い手として昨今注目を集めているのが「社会的企業」と呼ばれるものである。1980年以降、欧米で台頭してきた考え方で、ボランテイアや、チャリテイー活動ではなく、民間の手法を生かして、事業収益で自立して行うのが特徴である。又、事業目的も、社会的課題の解決を大きな目的として掲げる点も今までになかったものである。福祉や教育、文化芸術、職業訓練を含む雇用、環境、住宅関連、小売りサービス一般におよび、多岐にわたって繰り広げられている。最近ノーベル平和賞を受賞した、バングラデッシュのグラミン銀行もその一つに挙げられる。

 日本でも、民主党政権になって、行政改革を進める内で、この社会的企業を育てようとする動きが出てきている。この企業は基本的にスモールビジネスからのスタートであるので、中小企業が今後新しい事業領域を考える上で大いなるヒントになるであろう。

キーワードは「com」 [景気、経済]

菅政権が再選され、ねじれ国会が残ったままであるので、今後、難しい政治運営が必要とされるだろう。状況からすると、まだしばらくは特に経済対策は大幅な進展は望めそうもない。
そうであるならば、政府に頼らず、自立的に経営を立て直していかなければならない。

 そのキーワードが「com」ではないかと最近考えています。

「com」とは「同じ、一緒に、共通の、共有する」といった意味です。
この未曽有の経済危機を乗り越えるのに、従来の考え方ではだめだということは多くの経営者の方がおっしゃいます。
ではどうすればよいのか、何をすればよいのか、それがわかれば苦労はしませんね。
でも、何もしないことが最も悪いことだけは理解されています。
自社の立ち位置をもう一度考え直してみる、その時に、我々中小企業は、地域に根差して存在していることだけは押さえておきたいものです。

地域(community(コミュニティー))とは何か、会社が存在する町内もそうでしょう。運送トラックが出入りし、従業員が自転車で通ってくる、近いエリア。
アジアを商圏としている企業にとっては日本そのものが地域かもしれません。その地域エリアは距離ではなく、人と人とがcommunication(コミュニケーション)できる範囲というのが基本と考えます。ご近所は顔が見えて挨拶ができ、遠く離れていても今ではITの進歩でインターネットを介して情報交換できます。しかし、ITが進歩しても重要なのは人と人の繋がりです。そのツールがcomputer(コンピューター)ですが、この言葉の語源も「一緒に考える」という意味です。そして、私たちの会社すなわちcompany(カンパニー)の語源は「一緒にパンを食べる」ということから考えると、「com」をもう一度深く考えなおす必要があるのではないかと考えます。

一人で悩むのではなく、多くの、又、多様な方と語りあい、一人で動こうとせず、一緒に動く。そして、自社を活性化するためには、まず、地域の人たちを、お客様を活性化させることから動く。そういった動きの中で次の展開が見えてくるように思います。

鶴橋鮮魚卸売市場の昼市 [景気、経済]

毎月第1土曜の10時から鶴橋鮮魚卸売市場で「昼市」をやっています。
普段は卸専門ですが、市場の認知度を上げ、多くに人に魚が好きになってもらおうと3代目、4代目の若い後継者が中心になって市を開催しています。

7月3日の土曜日、そこのイベントの一種の飲食コーナーに少しお手伝いに行きました。

鶴橋と言えば、キムチ、焼き肉というイメージですが、戦前からこの市場はあるのです。
上を走っている近鉄電車に乗って、朝早くから三重県から、天秤棒担いだおじさん、おばさん達が新鮮な魚を運んできたものです。
私の叔父さんも、元気な時はそのようにして大阪に通ってきて子供たちを育てました。
鶴橋駅から迷路のような韓国食材や、焼き肉屋さんの間を抜けて行くと、だんだん、魚屋さんが多くなってきます。

今ではここでしか見ることができないレトロな卸売市場の風景です。

鶴橋昼市-1.JPG
写真のすぐ右に写っているのが空き店舗を利用した飲食コーナーです。

この日は大雨で、一般のお客さんは少なかったのですが、中にいる魚屋さんたちが、大変協力的で、たくさん買ってくれました。
私自身も近くの魚屋さんと仲良くなり、ついマグロの切り身を買いました。
家で食べると、すごくおいしく、値段も安いと、めずらしくかみさんからおほめの言葉を頂きました。

ありがたや、ありがたや・・・

GDP0%、GHP5%の国へ [景気、経済]

先日中学3年のクラス会に参加してきました。
最後の団塊の世代ですので、当時ひとクラス確か50名くらいだったと思います。
参加は、17名。皆新たな人生を歩み出していました。

その一人の友人曰く、
日本の製造業もうあかんで。

じゃあ、どうすればいいねん。
誰も持っていない技術を持て、とよく言うけど、そんなんじゃもう中国に勝てない。

じゃあ、どうすればいいねん。
技術ではなく、技(わざ)や! 

元々、中国や韓国から伝わったのに、今では残っているのは、日本だけになったものがたくさんある。
これからの日本の中小企業製造業は、技術ではなく、伝統や、文化に根差した技をどれだけ磨けるか、と考えなければならない。

なかなかいいこと言ってくれた、と感謝。

日本も、年率換算でGDP2.5%や3%アップを目指す、のではなく、当分0%成長でいきます、その代わり幸福度GHP5%UPを目指します、としよう。

若者の自殺 [景気、経済]

20~30代の若者の自殺者が増加していると先日報道されていました。私の知人も、新しい仕事として、賃貸マンションで一人暮らししていて亡くなった方の、荷物を整理・運搬する仕事を始め、その中で、若者の自殺者の荷物の整理がやはり増えていると言っていました。
それも、仕事がない、就職してもついていけない、といった就労に関する悩みから鬱になり、自ら命を絶つ若者が増えています。
「弱虫」と一言で片付けるのではなく、社会の問題としてとらえなければならない。

景気が回復してきたといっても、中国を中心とした新興国相手の売り上げが伸び、国内ではさらなるコストカットで経費を節減する中での大手企業中心の回復です。

今後もしばらくは、緩やかな回復が続くかもしれませんが、雇用を置き去りにした景気上昇になる可能性が高いでしょう。

自民党時代と変わらないバラマキ政策ではない、新しい雇用領域を生み出す政策に転換しなければならない。


染色工場見学 [景気、経済]

ある異業種の会で知り合った貝塚にある染色工場を経営されている方を訪ね、工場を見学させて頂きました。
昔はこの泉州地方に数十件あった染色工場が、今ではたった2社だけになったそうです。
時代の流れとはいうものの、業種こそ違え他人事とは思えません。


原糸.jpg
染める前の原糸。ほとんどが中国から入ってきています。


染色工程.jpg 
染色工程、ズラリと並んだパイプ状のものに、原糸をかけ、染め粉を溶かした熱い蒸気を吹き掛けます。夏場は大変な仕事です。若い方も頑張っています。

乾燥工程.jpg  
染め上がった糸を約30分ぐらいかけて循環させながらゆっくり乾燥させます。

巻き取り.jpg 
最後に織り機に掛けられるような状態に巻き取ります。  昔、おばあちゃんに手伝わされた毛糸玉にする巻き取りのような感じかな。一生懸命働いておられる方に、写真撮りますというとチョッピリ恥ずかしそうで素敵でした。



大量の熱と水を使う作業で、経費項目の中で人件費に並び、水道光熱費の圧倒的に高い仕事です。

見学させて頂いた後、経営者の方と約2時間余り色々とお話を聞かせて頂きました。
残存利益が残る業界かなと思いましたが、お話を聞けば、ここまで縮小するとその最低ラインすら守るのも大変になってくるようです。
人件費を含め経費は今の陣容を維持していく限りは増大せざるをえなく、しかし、業界は無くなることはないかもしれないが、拡大はしていかないことは見えているので、やはり新しい仕事を作り出していかなければならないのでしょう。

自社の仕事と関係のない業界の方とお話をすると、自分を取り巻く環境を別の視点から考えることができるので、大いに参考になります。

今後、お互いに刺激し合い頑張っていこうということで締めくくり、雨の中、丁重なお見送りを受けて工場を後にしました。
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