今、船長のなすべきことは・・・ [経営]

大手家電メーカーの中間決算が発表され,各社共大幅赤字から一転して黒字予測と大改善しました。しかし、その内容は人員整理、赤字部門閉鎖、関連会社売却といったマイナスを切る事と、円安と言う外部要因によるところが多大であったようです。次の一手が描けない中でとりあえずの緊急の止血処理だけを施した感があります。
安倍政権は10月1日、来年4月の消費税3%アップの8%を表明した後、第三の矢を放つために弓をキリリと引き絞り、凍結されていた公共事業復活、大企業の希望を入れた法人税減税を伴った矢を放とうとしています。この消費税のアップは、福祉目的税とされていますが、福祉を充実させるのではなく、このまま行くと破綻する福祉財源を補填するもので、これも言い換えると止血処理です。消費者物価指数が上昇に転じたことも、デフレ脱却の端緒とみられ、消費税アップの要因の一つとされています。しかし、実態は円安と異常気象で、食料品を含む日常品の値段が高騰しているだけです。あふれた資金が設備投資や賃金に回らず、この状態で消費税が上がると、大企業、大金持ちが優遇され、一般庶民、中小企業にとって厳しいものがあるような気がします。全企業が納得していた「復興特別税」は1年前倒しで中止にする一方で、首相自らがトルコに再度出向き原発をトップセールスする、「おもてなし」の真の心はどこへいったのか怒りさえ覚えます。
いつの時代も事業をやっていく単年度の中にも山や谷があります。特に谷はある時には外部要因も重なって深くえぐれるときもあります。山は低く、谷は深く感じるものです。
1年と言う永い航海の途中には、好天の日ばかりではなく、緊急の対策を講じなければならないときもあります。大きなうねりに飲み込まれて航路を外れそうになる時もあるでしょう。しかし、まさにその時「今、船長のなすべきことは、眼前の荒波を乗り越えることと、たどり着くべき港を見つめること」です。乗り越えてから見つめるのではなく、見つめながら乗り越えるのです。売上が急減した時、「新規開拓をもっとやれ」とハッパをかけるでしょう。しかし、たどり着くべき港を見つめてハッパをかける時は「これから、○○の業種、△△に関連するお客様を獲得することに全力をかけよ」とより具体的になるのです。
たどり着くべき港を見つめながら眼前の荒波を乗り越える努力をすることは、日常的な船長の大きな役割ですが、目的の港に着いたら、次の航海に向かっての準備をし、次の港を決めて再び帆をあげて荒海に出航しなければなりません。そう考えると、船長の最も大きな使命は、港にたどり着くことではなく、それはあくまで通過点の目標であり、真の目的は乗っている船そのものを、そして何より乗員、乗客、積荷の安全・安心を確保しつつ航海を続けることなのかもしれませんね。

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