<極> [経営]

アベノミクスの影響で、株価は上昇し、円安が進み、政府発表の3月の月例経済報告でも3ヵ月連続して好転の兆しです。昨年末の総選挙で自民党が大勝しましたが、その時注目されたのが第3極と言われた政党です。自民党か民主党かという2極ともう一つの対立軸という意味で第3極となったのでしょうが、そもそも「極(きょく)」とは「極(きわ)まり」のことですので、南極とか北極のように、1,2,3極は対立軸になければならないのに、よく似た政策で極と呼ぶのはいかがなものかと思います。

昨今、時代は2極分化とよく言われますが、その場合ある商品で言うと高級品か、低価格品かという選択肢に分けられています。それは供給側がどちらの商品を提供するかで、購買者もどちらかの層に限定されます。購買者は2名存在することになるのです。供給側も高級品を売るならそれらしい店づくりを、低価格商品でいくなら、徹底した合理的な店づくりを考えるでしょう。
しかし、もう一つ2極ほどはいかないが分化する購買行動があります。それは普段は景気が悪いから、旦那の給料が上がらないから、といった理由で安い店で買い物をしている主婦が、今日はお客様が来るからとか、子供が帰ってくるから、何とかの記念日だからとかいう理由で少し高くてもおいしいもの、チョットいいものを買うという消費行動です。その選択の時購買者は1名です。このチョットがくせもので、今まで超高級か、超安値かの二者択一からその中間にあったチョットいいもの、チョット安いものというあまり大きな差でない小さな差を考えることが存在するのです。私が関わっている「八百屋マン・マーケット」(働きにくい若者の就労訓練の場)という野菜・果物の移動販売でも、いつもの常連さんが「明日は孫が来るから」という理由で、お米やお菓子類といった普段買わないものを買って頂ける時があります。これも普段と違う消費行動です。

今まで、私達はものづくりを考える時、つい対極を考えがちですが、その間にある、チョットした差を持ったものを同時に考える事が出来たらそこは最も大きな市場なのかもしれません。そうしたチョットした差をつけた商品を両方作れるのならそれに越したことはありませんが、それが無理なら、チョット対極にある企業と手を組むことで相乗効果が生まれるかもしれません。

ライバル店が全くいないところに店を出すのも一つの方法ですが、少し違いがある同じ業種の店がすぐ近くにある方が両方繁盛すると言われる所以かもしれませんね。

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